Vol.2 「安直なヴォイトレの真実 NGその1」  声を腹で支えろ!?

一般的なヴォイストレーニングの中の安直な発声方法には、過去にずいぶん翻弄されました。
例えば「声を腹で支える」 例えば「身体で声を出せ」 例えば「顎を上げるな」 例えば「声を前に飛ばせ」 例えば 例えば・・・
今考えるとナチュラルボイスの邪魔をするイメージばかりの言葉です。

「声を腹で支えろ」とか「腹の支えが足りない!」ってどういう意味?

僕も過去に習った先生には基本だと教わって、腹直筋(前腹中央縦に走る筋肉、みぞおちの筋肉)にひどく力を入れていた記憶があります。

真実は、腹直筋に力が入ると喉にリンクがおきて、単純に言うと喉にも力が入ります。
初心者には喉が硬くなる分、声が強くなったような感じがしたり、安直に声に支えを得たように感じます。
また腹直筋で無理にブレスを押し出すことで喉の反射として、声帯が硬くなりこわばります。そして少し
こわばることで歌ったという充実感が身体にのこり、安直にしっかり歌ったという満足感が得られます。

しかし安直にできたように感じるだけで、腹直筋の力はナチュラルヴォイスからは遠ざかるばかりで、自己満足にしか過ぎず成長しません。支え方を間違うと喉を固めてしまい、むしろ胸式の方がずっと楽に歌える場合もあります。

特にポップスシンガーの中には、プロフェッショナルな歌手でも、ブレスのたびに肩を上げて吸っている人も見かけるくらいです。腹筋がさほど無い小さい子供や10代前半でデビューしてしまうプロフェッショナルなシンガーがいる理由からも、力ではないことは明らかです。もっと言うと胸式や肩式呼吸でも喉に力さえ入らないように
できれば、、声帯の感覚だけでナチュラルヴォイスでも歌うことも、ダイナミックな歌唱美もまったく可能です。

「腹で支えろ!」の言葉が起こさせる行動は、喉を硬くして一時的に声を安定させているような気になる、初心者を惑わす錯覚でしかなく、歌の上手さとはあまり関係ない、と考えます。

「声を腹で支えろ!」なんて、もっともらしいかなり抽象的あいまいな言葉に翻弄されて、声の支えの本当の意味も深く考えず腹直筋を固めることで、喉の力が抜けなくなった人が山ほどいることでしょう。

逆に腹横筋腹斜筋は、力が入っていても声帯のしなやかさには影響を与えにくいうえ、腹横筋腹斜筋を膨らます
方向に使うと、喉全体が開く方向にリンクが起こるため、歌やお芝居のジャンルによってはかなり有効です。
しかし、その場合もやはり腹直筋にも一緒に力が入ってしまうと、声帯を固め安くなり硬い声と喉の疲労を生み
出してしまいます。

これだけ繊細に変化する筋肉群に対し、「腹で声を支えろ!」という表現は、誤解を招く可能性が多く、表現としては適切でないと感じます。


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